循環器科
CARDIOLOGY
CARDIOLOGY
このような症状が見られたら、循環器系の病気の可能性があります。
わんちゃんによくある病気
僧帽弁閉鎖不全症は老齢の小型犬に多い病気です。
左心房と左心室の間にある僧帽弁が完全に閉まらなくなることで血液が逆流しうっ血性心不全を起こし、咳や元気消失などの症状がみられます。また重篤化すると呼吸困難で亡くなってしまうこともあります。
レントゲン検査や超音波検査などで診断を行い状態に応じて投薬を行います。内科治療は病気を治すものではなく、うっ血性心不全の進行を遅らせる治療であり、病態の進行に伴って数種類のお薬が必要となることがあります。
右心室から肺につながる肺動脈の血圧が高くなり肺に障害が生じ、呼吸困難を起こす病気です。肺炎や腫瘍などのその他の疾患からなることもあります。レントゲン検査や超音波検査で診断します。聴診でその他の心疾患ほど心雑音が聴取されにくいこともあるため、早期発見が難しいことがあります。原因となる疾患の治療や血管拡張薬などで治療を行います。
大型犬によくみられる心疾患です。心臓の収縮力が低下するために、心臓のポンプ機能が低下しうっ血性心不全を起こし呼吸困難や運動不耐性、失神などの症状がでます。レントゲン検査や超音波検査で診断し、内服薬で治療を行います。
ねこちゃんによくある病気
猫の心臓病で最も多くみられ、症状が特にない猫でも約15%の猫が罹患しているというデータもあり若齢の猫でもみられます。心臓の壁である心筋が心臓の内側に向かって厚くなることで心臓の内腔が狭くなり血流に異常が生じます。その結果、血栓ができやすくなったり、胸水が貯まり呼吸困難を起こし命に関わることがあります。レントゲン検査や超音波検査などで診断し、内服薬で治療を行います。
心疾患の診断にはレントゲン検査や超音波検査が欠かせません。この画像検査を丁寧に行い、診断を確実に行い治療につなげていくよう心がけています。
昔は僧帽弁閉鎖不全症では心雑音が聴取されたら投薬を開始するといったことがありましたが、現在は世界的にステージ分類がなされ最適な投薬のタイミングや薬の種類がわかってきております。そのような学術的根拠に基づいてしっかりと診断をし、最適なタイミングでの治療をご提案させていただきます。
心疾患の多くが治すのではなく心臓の負担を軽減する治療であり、病気の進行とともにお薬の種類を増やしていく必要があります。ただ、これは飼い主さんの投薬の手間や費用的負担にもなるため、よくご相談させていただき動物にとっても飼い主さんにとっても良い治療をご相談させていただきます。
受付していただきましたら、スタッフから問診させていただきます。呼吸状態や咳などのご様子をお伺いしたり、ご様子を拝見させていただきます。来院時やお待ちいただいている間にぐったりしたり呼吸が早い時には先に酸素室でお預かりや先に処置をさせていただきますので、お気軽にスタッフにお声がけください。
特に重要な聴診を注意深く行っていき、心臓に雑音がないか、不整脈がないか、呼吸音に異常がないかなど確認していきます。その他、全体を触らせていただき、心不全の兆候等がないか確認をしていきます。
心臓に大きな雑音がなくても心疾患が隠れていることがありますので、レントゲン検査を行っていきます。呼吸が苦しい動物に関しては酸素吸入を行いながら、負担を軽減しながら検査を行っていきます。また必要に応じて心臓超音波検査を行います。負担が大きいようであれば、治療を行いながら超音波検査を行うこともあります。
小型犬に多くみられる僧帽弁閉鎖不全症と診断した場合には世界的な診断治療基準であるアメリカ獣医内科学会(ACVIM)に基づいて治療をご提案させていただきます。心臓病が進行すると何種類ものお薬が必要となることがあり、飼い主様の費用負担が大きくなることがあります。その際にはご相談させていただき、動物と飼い主様にとって最も良いことを一緒に探していきましょう。呼吸状態が良くなく、酸素室が必要な動物には入院治療をお勧めさせていただきます。
お会計、お薬のお渡しは受付からさせていただきます。次回の予約は呼吸状態に応じて数日後から1ヵ月を目安にお取りさせていただきます。
お気軽にご相談ください。